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精気神学説 |
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中医学では、精と気と神は「三宝」と呼ばれ生命活動の三大要素であり、三者は密接に連携して相互依存し、人体の正常生理功能を維持しています。
精ぱ生命活動の物質基礎であり、気と神はそれにより生まれます。気は生命活動の原動力で、精と神はそれにより気化作用で生まれます。神は生命活動の功能表現であり、精気が充実することで神も発達します。この発達により精の化生と気の運行を支配し主導します。
三者は神を中心として、気を用い精は気に従います。
神とは?
神とは‥人体における生命活動の総称です。先天的な神は元神と言われ、人問の生命活動を主宰しています。後天的な神は、経験から形成される識神で、人間の精神意識活動を支配しています。両者は、互いに助け合い支持し共同で人体生命恬勤を維持しています。故に神は生命であり、精神とも言えます。
《素問・上古天真論》には「形神合一」の理論があります。神は生命活動が外部に表れたもので、神は人体から離れて独立に存在することはできず、身体があっての神であり、身体が健康であれば神も元気があり、身体が衰えれば神も疲弊します。
認知在は本虚標実の疾患
その病位は脳にありますが、その活動を主宰するのは神です。五臓の心は神明を主り、「脳は神の主、心は神の川」であり、脳と心は協調して五臓を統一しています。また脳は「元神の府、諸神の会」であり、各種生命活動を体現しています。
《崇問・脉要精微論》には、「頭は精明の府なり」とあり |精明は、万物を視、黒白を別ち、長短を審らかにする所である。長を短とし白を黒とするような伏態は、精の衰えを意味する。」 とあります。
脳の活動は心血からの栄養供給に依存し「心は脈を蔵し脈は神を蔵す」《霊枢・本神篇》とあるように血が充盈し血脈が通暢することで絶えず補給されています。それと同時に「髄の海」《霊枢・海論》である脳は「骨を主り、髄を生じ、脳に通じる」とされる腎からも栄養補給を受けています。この生理関係は「心腎相交」によって維持されるため、不調となると認知症の発症につながります。また脳は、痰や瘀による脳竅の内阻により他蔵との交接ができなくなり、栄養障害に陥るとその働きが鈍くなります。
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