【組成】 |
黄耆・人参・白朮・甘草・生姜・大棗・・・・・・・・補気健脾
茯苓・酸棗仁・遠志・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・養心安神
竜眼肉・当帰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・補心血
木香・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・理気
柴胡・山梔子・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・清熱解毒 |
【効能】 |
益気補血・健脾養心・清熱解欝 |
【主治】 |
心脾両虚に肝鬱化火を兼ね、いらいら・のぼせなどをともなうもの
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【解説】
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加味帰脾湯は、治法という角度からみると「心脾同治」、「気血双補」の方剤です。
ただし「心脾同治」は、治脾が中心です。つまり心の症状を解決する方剤であっても、治療ば「脾」から行う、という意味を強調するため「帰脾」という名称が付けられています。
健脾することによって心血を増し心血を補うことによって、動悸・健忘・不眠などの心神不寧の症状を改善します。
治脾が中心なので脾気虚からの出血(脾不統血)にも使われます。また、方剤中の「遠志・茯苓]には、「交通心腎」の作用もあります。これは、人体内の火と水の代表である「心」と「賢」の関係を整えることで
心を治療します。
これらの働きにより加味帰脾湯は眠りが浅い、よく目がさめるなどの不
眠・動悸を伴う認知症に使用されます。この使い方は当帰芍薬散と類似しま
すが、決定的な違いは、舌尖の色調です。舌尖が絳ならば、加味帰脾湯を使
用します。 |