帰脾湯のことなら家庭の中医学。帰脾湯の処方解説は家庭の中医学が参考になります。  
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帰脾湯 中医学処方解説 キヒトウ
帰脾湯
 帰脾湯
 

「帰脾湯」は、漢方の古典といわれる中国の医書『済生方[サイセイホウ]』 に収載されている処方「加味帰脾湯」の柴胡[サイコ]と山梔子[サンシシ]が除いた処方です。


日本漢方の効能・・・虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症:貧血、不眠症、

  帰脾湯 処方構成
黄耆人参白朮茯苓酸棗仁竜眼肉各3.0
当帰遠志大棗各2.0
生姜1.5
甘草木香各1.0

  帰脾湯 中医学解説
【効能】 気血双補・補脾・養心安心
【適応症】 疲れやすい・倦怠無力・元気がない・息切れ・食欲不振・腹が張る・軟便~水用便などの脾気虚の症候と健忘・頭がふらつく・ボーッとする・めまい感・動悸・眠りが浅い・多夢などの心血虚がみられる心脾両虚に使用します。舌質は淡白・脈は細弱で無力。
【類方比較】 加味帰脾湯:本処方に柴胡・山梔子を加えイライラ感の強い人に用います。
抑肝散加陳皮半夏:疳が高ぶってイライラしているために、興奮が収まらず、眠りにつけない、へその左に動悸を感じ、震えや痙攣が生じる人に使用します。
加味逍遥散:イライラして怒りやすい、強い月経前緊張症を訴えます。些細なことでも腹が立ち、イライラする人に使用します。
半夏厚朴湯:神経質の方で、のどに何かひっかかった感じがあり、咳払いをしてもとれないために、気になって少ないが、眠りにつけない人に使用します。
補中益気湯:不眠や精神不安といった神経症状は元気が無く血色が悪い、エネルギー不足のため、すぐにバテたりかぜを引きやすいような人に使用します。
【解説】

補気の基本方剤である四君子湯に黄耆を加えると、補気の働きが強くなります。木香の理気作用によって脾胃の気を調え、食欲を増強させます。養心安神の竜眼肉、酸棗仁、遠志や当帰枝心を滋養し、動悸、不眠などの症状を改善します。補気補血の効能を充分に発揮させ、さらに安神薬により不安を取り除きます。また、人参と当帰で心血をつくります。

【治療の現場から】 食欲不振が強ければ、六君子湯参苓白朮散などを合方します。
帰脾湯 顔色が悪く、貧血傾向、精神不安、心悸亢進、不眠など精神症状を訴えます。

食欲不振・出血傾向

※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
【臨床応用】 自律神経失調症・更年期症候群・心臓神経症・不安神経症・不眠症・健忘症・貧血症・低タンパク血症・血小板無力症・慢性胃腸炎・神経性胃炎・不正性器出血などで心脾両虚を呈するものに使用します。

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