アロエ健康法
古代から薬草として愛用
アロエは、東洋名では「ロカイ」と呼ばれるユリ科の多肉植物で、葉はトゲを持ち、肉が分厚くて、一見サボテン風です。原産地は熱帯の南アフリカや地中海沿岸が中心で、紀元前2000年のころから、効能あらたかな薬草として用いられていたと言います。日本に渡来したのは鎌倉時代ですが、薬用として実際に使われるようになったのは、江戸時代になってからのようです。
それ以来、「医者いらず」とか「薬サボテン」といわれて愛用され、観賞も兼ねて各地(ことに暖地)で栽培されてきました。300種もの種類がある中で、いちばん効きめがあるのは、キダチアロエです。
便秘に・・
アロエにあるアロイン、アロエエモジンと言う成分は、下痢を起こす働きがあり、下剤として使用されています。
ふだん少量ずつアロエの葉を食べたり、アロエ汁を飲んでいると、便通がつき、胃腸がととのって、食欲不振、胃のもたれ、嘔吐といった症状の慢性胃炎や痔がよくなるのも、アロインなどの成分の働きによるものです。
便通がつくと体調がととのってくるので、高血圧、低血圧、肌荒れなどにも、効果が上がってきます。
胃カイヨウ・十二指腸カイヨウに
アロエの成分の中には、抗カイヨウ性のアロエウルシンも含まれているので、これが、胃カイヨウや十二指腸カイヨウにおだやかに作用することも、薬理学的研究で明らかにされています。
口内炎・口角炎に
胃が丈夫になると、自然によくなってくるわけです。乗り物酔い、二日酔いに、胃が丈夫になって、肝臓障害が除かれると、乗り物酔いや二日酔いも解消してきます。
冷え症に
便秘が解消し胃腸病がよくなると、血行がよくなってきて、体があたたまります。
神経痛・リウマチに
神経痛やリウマチが起こるのは、体のどこかに病巣があるからだといわれています。アロエを食べたり、はったりしていると治ってくるのは、アロエの中に、根源となっている病巣のバイ菌に作用する成分が含まれているからです。アロエの有効成分の中には、バイ菌を殺す作用と、おできを作るブドウ球菌のようなバイ菌が出す毒素を中和する作用があることがわかっています。 インフルエンザ、おたふくカゼなど、ウイルスが原因で起こる病気の予防と治療に広く役立つのも、そうした作用があるからです。
やけど・ヒビ・アカギレに
アロエの葉のゼリー状の部分や汁をやけどにつけると、びっくりするほど早くきれいに治りますが、これはアロエの有効成分がバイ菌の侵入を抑えるとともに、組織の欠損部分を下から盛り上げる作用があるからです。この作用がヒビやアカギレにも効力を発揮します。
水虫・二キビ・イボに
アロエの殺菌力が作用するので有効です。
ガンの予防への期待
ガン細胞を接種したネズミにアロエを注射したところ、6匹中5匹が健在だったとか。この実験により、アロエの有効成分であるアロミテンに、ガン細胞を不活化させる働きがあることが明らかにされました。将来、人間のガン予防に役立つ日がくるのではないか、との期待もふくらんできたわけです。