高麗人参健康法
土の栄養分を吸収し尽くす強い生命力
数多い薬用植物の中で、古くから強壮補血作用で知られているものの一つに、朝鮮人参(高麗人参)があります。
正式にはオタネニンジン (御種人参)というウコギ科の植物。私たちが普通、食用にしている赤いにんじんはセリ科の食物で、このオタネニンジンとは全く別のものです。
朝鮮人参(高麗人参)は、その名のとおり、もともと朝鮮半島や中国東北部に自生していた多年草ですが、現在は、ほとんどが栽培されています。
日本には奈良時代に渡来し、江戸時代に入って栽培が始められ、現在では、福島県、長野県、島根県で栽培され、輸出もされています
薬用にするのは根
薬用にするのは、高麗人参の根の部分です。食用のにんじんと違って根は白色で太く、こまかく枝分かれしていて、その名が示すとおりどこか人の形ににているのが特徴と言えます。
5月ごろ白い花を咲かせ、やがて、7月に入ると、南天に似た赤い実をつけます。
薬用にする部分の根は、6年たってようやく収穫するのです。六年生のものの成分が最高度だからで、収穫したあとの畑は、昔は40年間は何も栽培できなかったと言います。それほど土中の栄養分を人参がすっかり吸収してしまうわけで、いまでも
連作はできません。
2000年の万能薬
朝鮮人参(高麗人参)は、学名をPanax CinsengといいPanaxはギリシャ語で「万能薬」という意味です。
Cinsengは人参のラテン語で、つまり朝鮮人参(高麗人参)の学名は、「万能薬人参」ということになります。
2000年ほど前の薬効書「神農本革経」にも、「臓器をととのえ、気分を安んじ、精神を安定す。驚悸を止め、邪気を除き、目を明らかにす、心を開いて智を益し、久しく服せば身を軽くし、寿命を延ばす……」 と朝鮮人参(高麗人参)の薬効が記されています。
効能は多種多様
朝鮮人参(高麗人参)について科学的研究が行われるようになったのは、100年ほど前からです。そのため、成分や効力は、まだまだ解明し尺くされてはおりません。
現在のところ、サポニン、精油、糖、ミネラル、ビタミンBl・B2などが確認されている程度です。しかし、朝鮮人参(高麗人参)の効能は、多年の研究によって、だれにも認められているものです。
成分中のサポニンと精油その他、未知の成分との相乗効果で、朝鮮人参(高麗人参)には次のような効果が考えられています。
貧血に
朝鮮人参(高麗人参)の成分には、大脳皮質をい刺激して血液中のヘモグロビン(血色素)を増加させる作用が明らかにされているので貧血の人に有効てす。
低血圧に
さらに朝鮮人参(高麗人参)は心臓や血管にも刺激を与え、低血圧を改善する働きがあるといわれます。事実、朝鮮人参(高麗人参)を常用して、冷え症や低血圧がよくなったという人が、たくさんおります。
糖尿病に
糖尿病は、血液中のブドウ糖を細胞に送ってエネルギーに変えるインスリンが不足することにより、血液中の糖がふえ、血糖値が上がる症状です。朝鮮人参(高麗人参)の成分の中には、この血糖値を下げ、インスリンの働きを強化する作用があります。
肝臓病に
朝鮮人参(高麗人参)には、肝臓での核酸やタンパク質を合成する作用を促進させる働きがあることも、明らかにされています。
ストレス・自律神経失調症に
朝鮮人参(高麗人参)の成分が大脳皮質を刺激して副腎皮質の機能が高められる結果、副腎皮質からストレスに対抗するホルモンが盛んに分泌され、ストレスに強くなります。ホルモンの分泌が高まると、婦人の更年期などに起こりがちな、頭痛、いらいら、食欲不振、便秘、下痢、といった自律神経失調症も改善されます。
性的無力症に
男性の性的無力症も、大部分が自律神経失調症やホルモンの分泌異常のためです。朝鮮人参(高麗人参)によって回復した例は、少なくありません。 スタミナ増強・疲労回復・老化予防にホルモンの分泌が盛んになって精力が増すと、日常生活にも元気が出て疲労することがありません。いつも若々しく活動的で、「5年や10年は若い」と言われ、普通の人よりはるかに活力があふれ、老化予防にも大いに貢献します。
制ガン効果の期待
朝鮮人参(高麗人参)の中のミネラルの一つゲルマニウムの存在が、注目されています。ゲルマニウムは、赤血球の造成やタンパク質の合成を促進させる働きとともに抗ガン作用もあるといわれます。そのゲルマニウムが、朝鮮人参(高麗人参)にはずばぬけて多く含まれているから、期持されるわけです。
★中国では、次の 「人参七効説」 が盛んに唱、えられています。
補気救脱=疲労回復によい。
益血復脈=低血圧、貧血によい。
善心安神=ノイローゼ、自律神経失調症などによい。
生津止渇=糖尿病などによい。
補肺定職=肺結核、ゼンソクによい。
健勝止潟=胃腸を丈夫にして下痢を止める。
托毒合瘡=皮膚病、肌荒れによい。
以上のように、朝鮮人参(高麗人参)は、長い年月の経験からその効用のすばらしさが認められ、現代医学がそれを追って研究を進めている、というのが現状です。