花粉健康法
花粉の秘密
ミツバチか花のみつを集め、それからはちみつができることは、小さな子どもでも知っていますが、ミツバチが花粉を集めて食料にしていることは、知らない人が多いのではないでしょうか。
ミツバチの食料は花粉だんご
花粉は、いろいろな動物、特に昆虫類と鳥類に食料として利用されていますが、中でも花バチは、花のみつと花粉だけで生きています。花バチのうち、人に飼育されているのがミツバチですが、みつがどんなにたくさんあっても、花粉が足りないと女王バチの産卵が止まってしまいます。なぜなら、女王バチが食べているローヤルゼリーの原料も、花粉なのです。女王バチの産卵が止まると、ハチ群全体が弱くなってしまいます。
そこで働きバチは、花から花へと、一生懸命花粉を集めるわけです。足にみつをつけてこすり、少しずつ後肢にため、やがてためられた花粉はだんご状に大きくなり、両肢で30mgほどになると巣に持ち帰ります。人間は、この花粉だんごを横取りしているわけです。
花粉はなぜ体によいか
花粉だんごは、花の種類によって、色や香りや味が違っています。肝心な成分についても、多少の差異があります。花粉に含まれているさまざまな成分については、まだ解明されていない部分がたくさんありますが、花粉だんごの分析結果は、炭水化物が約半分を占め、タンパク質が約20%、脂質が約10%、ミネラルが約2%で、残りは、水分と繊維が主成分です。
アメリカのミネソタ大学のビビノ・パルマーの分析によると、花粉は他の植物に比較して、タンパク質、ミネラル類、ビタミン類が豊富であることが指摘されています。
ミネラル類は豆類よりも多く、タンパク質は牛、豚のもも肉に比較できるほど多いことが、注目されています。また、ビタミン類のうち特にB群が多く含まれていて、中でもB2がこのように多量に含まれているのは、自然物では花粉以外には酵母があるだけです。
このほか、必須アミノ酸、核酸、80種類もの酵素、助酵素、植物ホルモン、抗生物質が検出され、女性ホルモンが存在しているという報告もあります。まさにフランスのケーラーの言葉のとおり、「花粉ほどバランスのとれた栄養源はない」ということになり、体になぜいいかもおわかりでしょう。
保健のためには1日5gを
花粉の利用は各国で考えられており、アメリカでは花粉入りのキャンデーやチョコレートも売られ、スウェーデンではカゼ薬に混合して効果を上げています。また、貧血症や慢性前立腺炎、出血性胃カイヨウなどにも有効であるといわれてもいます。
ただ、花粉は薬ではないので、たくさん飲めばよく効くというものではありません。保健のためには、毎日、大さじ1杯程度(5g)飲むのが適量といえるでしょう。
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