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①冷たい飲食物の取りすぎなどで起こる下痢
生ものや冷菓を食べすぎたり、冷たいものを飲みすぎたときに起こりやすいのが、寒湿の邪による下痢です。湿度の高い日本では、非常によくみられる病態です。
水様便に加え、吐き気、手足や全身が重くだるい、頭がすっきりしない、むくむ、寒気がする、といった症状が現れます。この場合は、寒湿を取り除きながら、脾の機能を正常に戻す「藿香正気散」で治療します。
冷えの症状があまりない場合は、脾の湿を取り除く「平胃散」がいいでしょう。
②酒や脂っこいものの食べすぎや、食中毒による下痢
腐ったものを食べたときや、脂っこいものを食べすぎたり酒を飲みすぎたとき、べたっとした、いやなにおいのする下痢を起こすことがあります。そのほか、おなかが脹って苦しい、食欲がない、ムカムカする、肛門に灼熱感がある、といった症状があるときは、湿熱の邪による下痢と考えられます。
熱の症状が強い場合は、大腸の湿熱を除く「藿香正気散と黄連解毒湯」用います。
③食べすぎなどで消化不良を起こした場合の下痢
食べすぎによって、脾胃の消化・吸収機能が阻害され、下痢が起こることがあります。症状としては、みぞおちが脹って痛む、おなかを押すと苦しい、いやなにおいのゲップがしきりに出る、不消化便が出る、などです。この場合は、消化を助け、脾胃の機能を回復させる「大柴胡湯」を用いると良いでしょう。
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