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症状はもちろん、人を知ることでオーダーメイド治療ができる |
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漢方医学では、体内バランスや自然・社会環境との関係を重視して、体質に合わせながら治療します。それは、臨床的な病気治療ばかりではなく、患者の気持ちや生活習慣に配慮した治療です。患者を「知る」ことにより、一人ひとりにあったオーダーメイド治療ができる。 |
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「虚」と「実」を見分ければ対処法も見えてくる |
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「世の中のすべての物事は、単独で存在することはあり得ず、互いにつながりを持ちながら常に変化しているので、全体としてとらえる」という考え方があります。これを整体観といい、中医学の基本となる考え方です。西洋医学が病気だけを診るのに対して、中医学は、「病人を診る」といわれるゆえんです。
「病人を診る」ために、中医学には虚実という概念があります。体の中で必要なものが足りていない状態を「虚」、逆に余計なものが溜まっている状態を「実」といいます。
「虚」と「実」それぞれの発生原因には、以下のような理由が考えられます。
虚証 |
先天的な体質虚弱 |
慢性疾患に伴う消耗 |
過度の疲労、飢餓、性生活の不節制 |
出血、激しい発汗、嘔吐や下痢などの物質的消耗、 |
実証 |
細菌・ウイルスなどの感染や寒冷・暑熱などの物理的環境の変化 |
暴飲暴食・美食過多・不潔な飲食物の摂取など |
寄生虫・外傷など |
虚実
「虚」とは「正気の虚」で、「実」とは「病邪の実」をいいます。人体にとって必要な物質や機能の不足が「虚」で、不必要有害なものの存在と病理的産物が「実」です。機能面にかぎると、「虚」は機能の低下を、「実」は機能の停滞あるいは過亢進を意味します。
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