症状1
イライラして寝付きが悪い・夜中に驚いて目を覚ます・夢をよく見るなどの症状のほか、口が苦い・吐き気・痰が多い・胸苦しいなどの症状があります。治療法・・・・・・・熱を冷まして痰を除去する治療を行います。
代表処方・・・・・柴胡加龍骨牡蛎湯
神経の高ぶり、精神不安が強いため、水分代謝が悪くなり、胸苦しさやイライラなどが起こり、眠れなくなります。竜骨・牡蛎は、腎の働きをととのえかつ沈静的に作用し胸や腹部の動悸を鎮めます。桂枝の興奮を引き下げる働きとともに神経の高ぶりを鎮め、イライラ・精神不安を取り除きます。柴胡で胸部の熱を冷まして胸苦しさを取ります。半夏・生姜・茯苓で水分代謝をよくします。大黄で大腸の熱を冷ますことによって眠れないという症状を緩和します。
処方の詳しい解説
症状2
イライラして寝付けない・眠りが浅い・すぐに目覚めるなどとともに、怒りっぽい・ゆううつ・ため息・顔色につやがない・胸脇部が脹って苦しいなどの症状があります。女性の方は生理前に胸の張りと痛み・月経不順などがあります。
治療法・・・・・・・自律神経を安定させ血を補いながら不眠を改善します。
代表処方・・・・・加味逍遥散
冷えや自律神経の乱れによって、ホルモンバランスが崩れ血流の循環も悪くなって、肝臓の働きが低下します。その為に不眠や便秘になったり、にきび・吹き出物・肩こりなどさまざまな症状が出てきます。山梔子・薄荷で自律神経を安定させ、眠れないという症状を改善します。柴胡で肝機能を高めます。当帰・芍薬・牡丹皮で、血液の働きを増すことによってホルモンバランスを整え、疲労倦怠・貧血・肩こり・便秘・にきび・吹きでものなどの症状を改善します。
処方の詳しい解説
症状3
眠りが浅く夢を多く見て、夜間によく目が覚める。顔色がよくない・動悸・物忘れ・食欲不振・疲れやすい・だるい・日中に眠い・イライラなどの症状があります。
治療法・・・・・・・消化器の働きをよくしからだの栄養状態をよくしながら不眠を改善していきます。
代表処方・・・・・加味帰脾湯
もともと胃腸の弱い虚弱体質で血色の悪い人が、貧血や心身の過労によって気分がイライラしたり、落ち着きがなくなったり元気がなく口数が少なくなったりして精神不安や神経症・不眠症を起こしたときに用います。人参・黄耆・白朮・甘草・大棗で消化器の働きをよくし、食べたものの消化吸収をよくし、からだに栄養を与えます。柴胡・山梔子でイライラや落ち着きがない症状を取り去ります。竜眼肉・酸棗仁・遠志で血液を増やし、心の働きをよくします。それによって自律神経が安定し気分を楽にしながら、眠れないという症状を緩和します。
処方の詳しい解説
症状4
焦りがあって夜通し眠れません。何度も寝返りをうつ・動悸・口内炎・頭のふらつき・からだのほてり・のどの乾き・腰から下のだるさなどの症状があります。
治療法・・・・・・・からだの内部の熱を冷まし水分代謝をよくして不眠を改善させます。
代表処方・・・・・黄連阿膠湯
冷え性でのぼせ気味で不眠傾向の方の鼻血、不眠症、カサカサした皮膚のかゆみに用います。阿膠・芍薬で腎に栄養を与えます。卵黄末で心臓に栄養を与え、冷えのぼせを改善させます。黄連・黄芩で体内部の熱を冷まし、イライラや眠れないという症状を緩和します。
処方の詳しい解説
こちらに解説した症例は、不眠症の一番多い症例です。当てはまるものが
なければ、総括表をご覧下さい。 |