【効能】 |
補血活血・調経 |
【適応症】 |
補血の基本方剤で、補血と活血から構成されています |
【類方比較】 |
黄連解毒湯:上・中・下焦全般の炎症に用いますが、便秘の傾向のない場合に用います。
桃核承気湯:のぼせぎみで便秘の傾向があり、下腹部に自発痛、抵抗、圧痛があり、女性ではさらに月経不順、月経困難などを伴う場合に用います。
柴胡加竜骨牡蛎湯:頭痛、不安、不眠などの精神神経症状を訴え、季肋部の抵抗、圧痛がある場合に用います。 |
【解説】 |
当帰・芍薬・地黄は、豊富な栄養物を含み、全身を栄養、滋潤し、神経機能や内分泌機能を正常化させます(補血)。当帰・川芎は、血管拡張によって循環を改善し、栄養物の分配、配給を強めます。当帰・芍薬・川芎は、子宮筋の収縮を調整して正常化させます。当帰は子宮の発育促進に働き、四薬すべてがもつ栄養、滋潤、血行促進などの作用により、子宮、卵巣などの機能を改善して、月経調整に働きます(調経)。芍薬・当帰・川芎は、鎮静作用をもち、自律神経系の失調を改善します。地黄・芍薬には、ある程度の止血効果があります。
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【治療の現場から】 |
★精神的ストレスをともなうとき・ゆううつ感、緊張、いらいら、ヒステリIツクな反応などには、加味逍遥散・小柴胡湯・大柴胡湯などを合方します。
★怒りっぽい、いらいらなどには、三黄瀉心湯・黄連解毒湯などと合方します。
★出血に対して、慢性の炎症によるときには、黄連解毒湯(温清飲)を合方します
★うっ血には、桂枝茯苓丸と合方します。
★月経異常に対して、稀発月経で基礎体温が低く冷えをともなう寒証には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯・人参湯など。月経が延長傾向にあり月経痛、経血量が少ない、凝血がまじるなどの血瘡には桂枝揆苓丸。周期が短く出血量が多い熱証には、黄連解毒湯などと合方します。
★食欲不振、泥状~水様便などがみられるときには、六君子湯・補中益気湯なとと合方します。
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腹部軟弱で臍傍に動悸を訴える人が多い
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。 |
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【使用上の注意】 |
食欲不振、下痢など脾胃気虚のものには注意して使用します。 |
【臨床応用】 |
栄養不良・自律神経失調症・更年期症候群・視力障害・稀発月経・稀少月経・無月経・子宮発育不全・月経困難症・産後などで、血虚を呈するものに使用します。 |