症状1
経血量が少なく、経血の排出が悪く、経血が暗紫色で塊が混じり、刺すような月経痛を伴うことが多く、周期は延長傾向にあります。また、便通が悪いことが多くなります。生理中でも便秘するような人に用います。治療法・・・・・・・停滞している血の流れを良くする治療をします。
代表処方・・・・・桃核承気湯
膀胱付近に熱が強いため、血の停滞を起こし血液循環が悪くなり、神経痛や腰痛・肩こりなどが起こります。また、熱のために便秘や神経興奮も起こり、いらいらなどの神経症状も起こります。このような人の、生理痛・生理異常に良く用います。桃仁・芒硝で血の熱を冷ますことにより、血の停滞をのぞき血液循環をよくします。甘草が働いて痛みや肩こり・冷えのぼせ・下腹部の抵抗圧痛を取り除きます。桂枝で神経興奮を静めていらいらなどの神経症状を緩和します。大黄で腸の熱を冷まし、便通をよくします。
瘀血の解説
処方の詳しい解説
症状2
経血量が少なく、経血の排出が悪く、経血が暗紫色で塊が混じり、刺すような月経痛を伴うことが多く、周期は延長傾向にあります。下半身が冷え、上半身がのぼせる人に用います。
治療法・・・・・・・停滞している血の流れを良くする治療をします。
代表処方・・・・・桂枝茯苓丸
血の熱の為に、血の停滞を起こし血液に循環が悪くなり、冷えのぼせの症状がでます。またもともとから血の循環が悪い人が、他の原因で血の停滞ができてしまい、なかなか治らずつらい症状が出ます。このような人の生理痛・生理異常によく使います。桃仁・牡丹皮は、血の熱を冷まして停滞している血の流れをよくします。桂枝・茯苓で皮膚表面の新陳代謝をよくし冷え・のぼせの症状を緩和します。
瘀血の解説
処方の詳しい解説
症状3
月経期あるいは月経後に下腹部がシクシクと痛み、圧すと軽くなり、経血は淡色で量も少ないことが多く、元気がない、疲れやすい、などの症状があります。
治療法・・・・・・・元気をつけ機能を高めるとともに、血を補う治療をします。
代表処方・・・・・当帰芍薬散
貧血・冷えの為、腎や膀胱付近の血液循環が悪くなりその働きが低下した為にむくみが生じます。また、血の循環や水分代謝が悪い為に、生理痛や生理異常が出ます。当帰・川芎は血の冷えを温め造血をはかる働きを持っています。芍薬とともに血液の働きを増します。茯苓・白朮で冷えやむくみなどの原因となる体内の余分な水分を尿として流すことによりむくみや生理痛・生理異常を改善します。
補中益気湯の併用が良い
体力的に弱っている為に、疲労倦怠感が強く寝汗をかいたりします。胃腸の働きが悪い為に食欲不振や、空腹感がないなどの症状があります。人参・白朮は、血液の循環をよくして体力を回復させてくれます。白朮・陳皮とともに、胃腸の働きをよくしします。黄耆・当帰は、栄養を高め体の働きをよくします。
柴胡・升麻で臓器の熱をさましながら胃腸の働きを整えます。
処方の詳しい解説
症状4
経血がごく少量であったり、持続日数が非常に短く、経血は淡色で、周期は延長する傾向にあり、月経期あるいは終了後に下腹部の鈍痛を伴うことが多く、顔色につやがない・爪がもろい・頭のふらつき・眼のかすみ・しびれなどの症状を伴います。
治療法・・・・・・・血を補い、機能を高める治療をします。
代表処方・・・・・四物湯
冷えのため血液が衰え血液循環が悪くなります。また強い貧血のため血液不足となり皮膚に潤いがなくなります。このような人の生理異常に良く用います。
地黄・当帰は血を補い血液の働きを増す作用があります。芍薬・川芎とともに血液循環をよくしうっ血を取り除きます。地黄は皮膚に潤いを与える働きがあります。
処方の詳しい解説
症状5
月経周期が安定せず、早くきたり・遅くきたりします。生理前に乳房が張ったり、痛くなったりもします。緊張・悩み・怒り・不安などの情緒変動あるいは旅行するというように、事あるごとに月経が乱れます。更年期を迎える人たちに一番多い症状ですが、日本人の70%の女性がこの症状を持っています。そのほか、生理前にふきでものがひどい・こめかみの頭痛などの症状が出たりします。
治療法・・・・・・・自律神経を安定させ、不定愁訴を取り除きながら月経を正常化します。
代表処方・・・・・加味逍遥散
冷えや自律神経の乱れによって、ホルモンバランスが崩れ血流の循環も悪くなって、肝臓の働きが低下します。その為に不眠や便秘になったり、にきび・吹き出物・肩こりなどさまざまな症状が出てきます。山梔子・薄荷で自律神経を安定させ、眠れないという症状を改善します。柴胡で肝機能を高めます。当帰・芍薬・牡丹皮で、血液の働きを増すことによってホルモンバランスを整え、疲労倦怠・貧血・肩こり・便秘・にきび・吹きでものなどの症状を改善します。
この症状は、日本人に非常に多く、加味逍遥散は、代表処方です。その他に、小柴胡湯・大柴胡湯・柴胡加龍骨牡蛎湯・小柴胡湯と当帰芍薬散の併用・逍遥散などの処方があります。
加味逍遥散の処方の詳しい解説
症状6
月経の周期が延長し、経血が淡色で粘調で、ふだんからおりものが多く肥満ぎみ・からだがだるい・むくみ・のどの異物感・はきけ・口が粘るなどの症状があります。
治療法・・・・・・・消化器の働きを良くしながら、水分代謝を良くします。
代表処方・・・・・半夏厚朴湯
消化器に水分が停滞しているためからだの水分代謝が悪くなります。そのために自律神経が乱れのどのいらいら(ひっかかり)や異物感・咳などとなって現れます。水分代謝が悪い為に、生理不順・おりものが多いなどの症状が出ます。生姜で消化器の水分を温め動きやすくします。茯苓でその水を尿として流すことにより水分代謝をよくします。半夏・厚朴・蘇葉で自律神経を安定させ、のどのいらいらや異物感およびそれに伴う咳などを鎮めます。
処方の詳しい解説
こちらに解説した症例は、婦人科症状の一番多い症例です。
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