鉄欠乏性貧血とサプリメント
鉄欠乏性貧血
貧血は、子どもの血液の病気のなかで、最もよく起こるもののひとつです。 血液の成分には、形のある血球という細胞成分と、血漿[けっしょう]という液体成分があります。血球には赤血球、白血球、血小板があり、赤血球にはヘモグロビン(血色素)という鉄を含んだたんぱく質が入っています。そして、血液成分のうち赤血球が減り、ヘモグロビンが減った状態を貧血と呼びます。
貧血の原因にはさまざまなものがあり、からだの中の鉄分が不足して起きるものを、鉄欠乏性貧血といいます。鉄分はヘモグロビンの大切な成分ですので、鉄分が不足するとヘモグロビンができず、ひいては赤血球ができなくなってしまうわけです。鉄欠乏性貧血は、貧血の中で最もよく起きる病気のひとつです。また女性は月経、分娩などの出血によって、体内の鉄分が失われる原因が男性より多いため、鉄欠乏性貧血になる人は、女性が圧倒的に多くなっています。
鉄欠乏性貧血原因
乳児期以降、どの年齢にもみられます。 母乳だけで育てられる乳児は、鉄分が不足しやすくなります。母親は授乳中、自分のからだで消費する鉄分に加え、母乳に移行する鉄分も必要なため、食事などによる摂取が追いつかないで、鉄分が不足しがちです。そのため、母乳に含まれる鉄分が足りなくなり、子どもが鉄分不足になることがあります。 乳児期は発育がさかんなため、栄養素のひとつである鉄分がどんどん必要になることも、鉄分が足りなくなる原因です。 幼児期でも、発育が速いために、鉄分の摂取が追いつかないことがあります。 女子は月経が始まると、出血によって血液中の鉄分が外に出るため、鉄分不足を起こしやすくなります。
症状
貧血になると、全身の組織や臓器に酸素が十分いき渡たらなくなり、エネルギー源が不足して、からだ全体の組織や臓器の働きが弱まります。このために、からだがだるい、すぐ疲れる、といった全身的な症状があらわれたり、皮膚や粘膜が赤みがなくなるなど、からだのあちこちで症状が起きます。
子どもの貧血の一般的な症状として、顔色が青白くなり、唇の色が薄くなり、まぶたの裏の赤みが減ります。子どもの年齢が上がれば、めまいや頭痛を訴えることもあります。
鉄欠乏性貧血では、一般症状のほか、砂などを食べる異食症があらわれることがあります。
治療
鉄欠乏性貧血の場合は、鉄剤を服用します。服用して、赤血球の数やヘモグロビンの量が正常になったあとも、体内の貯蔵鉄の量を正常にするため、2〜3か月飲み続けます。鉄分の不足による貧血の予防には、日ごろから牛乳、レバー、ホウレンソウなど、鉄分の多い食品をとることが大切です。
母乳だけで育てている乳児には、鉄分の多い人工乳を与えることで、母乳の鉄分不足を補えます。
鉄欠乏性貧血の主なサプリメント
●青汁 | ●大麦若葉 |
●クマザサ | ●カゼインホスホペプチド |
●クロレラ | ●スピルリナ |
●ビタミンB12 | ●ヘム鉄 |
●葉酸 |