基本理論・・精とは
精とは生長・発育などの生命エネルギーの源となる栄養物質で腎に蓄えられるので『腎精(じんせい)』ともいわれています。
各種のホルモンや副腎・生殖器系・泌尿器系の機能との関連があると考えられています。
基本理論・・精の生成
精は、まず父母より受け継いだ精を基礎として生成された先天の精と、飲食物から脾胃の運化によって得られた後天の精とがあり、それらが腎に貯蔵されます。この事から、腎に蓄えられた精を腎精と呼ぶのです。人間は、この腎精によって生長、発育が促され、また、五臓六腑は腎精の供給を受けて機能します。
基礎理論・・先天の精
人間が母体内において生成する段階で、まず父母の精を受け継ぎ、これを基盤として母体の気血から栄養を受けて生成されます。この先天の精の働きにより、脳・髄・筋・脈・皮・肉・毛・髪などが形成され、生長発育するのです。
また、出生以降は水穀の精気に依存しながら腎精の一部を成します。
素問の上古天真論によれば、「およそ男子八歳になると歯が抜けかわり、頭髪が増えてくる。十六歳で男女の性交により子供ができる能力を持つ。また六十四歳でこの生殖の精は、腎気の衰退によって能力を失う」とあります。
基礎理論・・後天の精
飲食物が脾胃の運化により選別された精微な栄養物質で、すなわち水穀の精が基盤となり基盤になりさらに五臓六腑の働きを受けて生成され、腎に貯蔵されて腎精の一部を成します。
基礎理論・・精の機能
栄養物質である精は、気・血・津液などに変化し、血脈、水道その他を通じて全身を循環し、身体の各部を養います。
精は五臓六腑へ需要に応じて腎から供給され、臓腑を養うと同時にそこで行われる生理機能の原動力となります。
そして腎精の一部でもある生殖の精により、新しい生命体を産み出す機能を持ちます。
また、精は肺に輸送され、肺で吸入された天空の気と合体して、真気となって人体の生命活動の原動力となります。