陰陽
一般には、興奮性・運動性・熱性をあらわす症候を「陽証」に、逆に抑制性・静止性・寒性をあらわす症候を「陰証」に分類して、臨床的な症候から当面の疾病がどちらの範疇に入るかを弁別して治療の参考にすることが多くあります。また、表証・実証・熱証を陽証で包括し裏証・虚証・寒証を陰証で包括しています。またときには、実証や熱証を陽証といったり、虚証や寒証を陰証と呼ぶこともあります。
一般的な事物の分類
(陰) |
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(分類) |
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(陽) |
地 |
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天地 |
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天 |
秋冬 |
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季節 |
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春夏 |
夜 |
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時間 |
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昼 |
女 |
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性別 |
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男 |
寒 |
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気温 |
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熱 |
喑 |
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明るさ |
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明 |
静的 |
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運動 |
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動的 |
下 |
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上下 |
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上 |
内 |
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内外 |
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外 |
表裏
(陰) |
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(分類) |
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(陽) |
裏 |
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表裏 |
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表 |
下半身 |
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上下 |
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上半身 |
腹部 |
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背腹 |
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背中 |
蔵 |
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臓腑 |
→ |
腑 |
血 |
← |
気血 |
→ |
気 |
静的 |
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性格 |
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動的 |
低 |
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体温 |
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高 |
抑制 |
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状態 |
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興奮 |
衰退 |
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体力 |
→ |
亢進 |
疾病の分類
陽・・・・・・表証・実証・熱傷
裏症・・・・裏症・虚証・寒証
「陰陽」という言葉であらわされる概念には、以下の4つの異なる内容があるので、注意が必要です。
●
陰証・陽証:症状の概括
●
陰液・陽気:人体の構成成分
●
陰邪・陽邪:病邪の性質
●
陰病・陽病:「傷寒論」における病態区分
表裏
身体の浅表部を「表」、深部や内臓を「裏」と大まかに区分して部位を分け、疾病の所在を示します。外感病の初期で病邪が浅表部にあると考えられる状態を「表証」、やや進行して病邪が深部や臓腑機能を障害したと考えられる状態を「裏証」と呼びます。実際には、疾病の初期で障害が軽度なものを表証、障害が重いものを裏証と考えます。
一般に病邪は表から裏へと次第に侵入するとし、表証・半表半裏証・裏証を区分してそれぞれ異なった治法で対処します。
表証
六淫の邪を感受することにより初期にあらわれる悪寒・発熱・頭痛・関節痛・脈浮などの症候である。
病邪が表にあって衛気の宣散を阻害するために悪寒・悪風が生じ、病邪と正気の闘争により発熱し、表の病変に応じて浮脈となり、経絡の循行が障害されて頭痛・関節痛が発生する。なお、病邪が表にあり、肺の宣散が阻害されたための鼻閉・鼻みず・咳蠍などが生じます。
裏証
臓肺の機能障害をあらわす概念である。一般の疾患のほとんどは裏証で、外感病でも表証・半表半裏証以外はすべて裏証です。裏証はこのように包括する範囲が非常に広くなります。
裏証が発生する原因には
●外感病によるもの。六淫の邪が表から裏へと侵入した場合と、病邪が直接裏を障害した場合。
●外感病以外の、精神的ストレス・疲労・性生活の不節制・飲食の不節制などによるもの。