基礎理論・・気血津液精の相互関係
体内を巡っている脈管の中には、気血津液精が共に流れていて、このうち血だけは脈管外に出ることはできません。
基礎理論・・気と血の関係
全身の気が十分に作用を発揮するには血の濡養作用が必要であり、逆に血は飲食物からえられた精微な物質に気の気化作用が働いて生成され、気の固摂作用・推動作用によって脈管外に漏れ出ることなく、脈管内を正しく循行して全身を濡養します。この関係を、気は血の帥、血は気の母といい気と血は密接な関連性を持つことをあらわしています。
基礎理論・・気と精の関係
気は形なくて機能だけがあるものであり、精は生命エネルギーの根元である精を基盤にして生成された腎気が、水穀の気及び天空の気と合して生じます。このように背にもとづいて発生する機能が、人体の気の基本であることから、精が気の根元といわれます。また、精は気の気化作用で得られた栄養物の、厳選された部分によって、絶えず補充されます。
基礎理論・・気と津液の関係
津液は、飲食物から得られた精美な物質に気の気化作用が働いて生成され、固摂作用によって体内に留まり、推動作用によって脈管内外を循行して全身にいきわたります。また、津液は気の調節を受け、不必要なものは汗・尿などとして排泄されます。気と津液は相互作用があり、気の気化作用に異常があると痰飲・水腫・水湿などの水分異常を生じ、これらがまた、気の機能を害することになります。嘔吐・下痢・発汗などで急激に大量の津液が損なわれると、これにともなって気もまた消耗されます。
基礎理論・・血と津液と精の関係
血津液精は、人体の構成成分の中で物質的な部分をいい、総称して陰液と呼ばれます。血と津液は人体の各部栄養を運び、滋潤することが主な役割であり、脈管内にあるときは津液は血液の成分としてあります。津液は脈管外にでることができ、血脈のない部分を濡養してまわり、ホルモンや代謝と深くかかわっています。精は血と津液の構成要素で、気の原動力ともなるエネルギー源です。