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蕁麻疹のタイプは急性と慢性に大きく分けられる |
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蕁麻疹は、急性のものと慢性のものに大きく分けることができます。 急性の蕁麻疹の病因として多いのは「外風」と「消化器の不調」 です。一方、慢性の蕁麻疹の病因として多いのは 「内風」や「体質虚弱」 です。急性の蕁麻疹は、治療を誤らなければ比較的肋間単に治りますが、治療が適切でないと、症状をくり返したり、慢性化して、非常に治りにくくなります。
まず、急性の蕁麻疹のタイプと治療について、考えてみましょう。
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病気に対抗する力が弱いために風が寝人して起こる蕁麻疹の治療 |
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もともと虚弱体質でかぜをひきやすく、治りにくい人が、汗をかいたあとに風に当たると、蕁麻疹が突然起こることがあります。これは、営衛の気が虚弱なために、風邪を完全に追い払うことができず、かぜはほとんど治っているにもかかわらず、蕁麻疹となって邪気が残っている状態です。
発疹の色は比較的淡く、多くの場合、地図状に盛り上がります。また、汗をかきやすいのは、衛気が不足して皮膚をひき締めることができないからで、この状態を 「営衛不和」あるいは 「衛気不固」といいます。 このタイプの蕁麻疹は「参蘇飲」 や「桂枝加黄耆湯」、「黄耆建中湯」 や「桂枝湯」 「玉屏風散」などで、風を軽く発散するといいでしょう。
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風と冷えによって起こる蕁麻疹の治療 |
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不規則な生活や過労などによって、一時的に衛気と営気の調和が乱れた虚の状態につけこんで、風が冷え(「寒」 )をともなって侵入し、蕁麻疹をひき起こすことがあります。このタイプの蕁麻疹は、からだが冷えたり風に当たると発症し、冷えが強くなると症状が激しくなるのが特徴です。
悪寒や発熱、無汗といった症状をともない、軽くふれると脈が緊張したり遅くなるときは、「葛根湯」 や「桂麻各半場」などを使います。
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風と熱によって起こる蕁麻疹の治療 |
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発疹が紅くて痒みが激しく、口渇をともない、舌には薄く黄色い苔がつき、熱を受けると痒みが激しくなるのは、「風熱」が原因です。 このようなタイプの蕁麻疹は、「銀翹散」などを使って治療します。
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風と、よぶんな水分によって起こる、蕁麻疹の治療 |
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胃腸がまだ成熟していない乳幼児や、胃腸の消化吸収力がもともと弱い人、乱れた食生活を送っている人は、体内によぶんな水分 (湿や 「飲」 )が生まれやすくなります。このような状態では、衛気と営気の調和が失われやすく、風を受けると、よぶんな水分と結びついて、湿性の蕁麻疹が現れます。全身に丘疹が現れ、水疱あるいは浮腫状に盛り上がる発疹をともないます。このタイプの蕁麻疹には、「寒湿」 によって起こるものと、湿熱によって起こるものがあります。 このうち、発疹の色が青白く、からだが冷えると症状がひどくなるのは寒湿が原因です。手足の冷えや下痢、むくみ、おなかの脹りなどをともなうときは 「五積散」 や「藿香正気散」 「五苓散」 「胃苓湯」あるいは 「真武湯」などを選びます。
熱を受けると症状がひどくなるのは湿熱が原因です。発疹の色が紅くなったり、痒みが激しいときは 「消風散」や「越婢加朮湯」を使います。熱が重いときは 「白虎加人参湯」、熱が軽いときは「十味敗毒湯」がいいでしょう。 |
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消化器の不調によって起こる、蕁麻疹の治療 |
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おいしいものばかり食べたり、エビやカニ、魚、肉の食べすぎなどによって消化器に過剰な負担がかかると、消化されないものがたまります。これは「廃水」と呼ばれます。生ゴミをほうっておくと熱が発生し、悪臭を放つように、廃水は熟を生み、風を起こします(「湿熟化風」 )。こうして生まれた風が皮膚の血流を乱すと、蕁麻疹を起こす原因となります。 このタイプの蕁麻疹で、便秘や下痢、げっぷや吐きけ、腹痛をともない、舌に黄色くあぶらっこい苔があるときは、「防風通聖散」などを使うといでしょう。 また、エビやカニ、魚や肉などの食べものが原因の場合は、「香蘇散」を合わせて使うとよく効きます。
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慢性の尋麻疹はからだの中で生まれた風によって起こることが多い |
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慢性の蕁麻疹は、からだの中で生まれた風(内風) によって起こることが多く、さまざまなタイプがあります。 精神情緒が不安定で、内臓の機能(陽)が必要以上に亢進すると、体内の細胞液のバランスがくずれて水分が不足します。血液が濃縮されて、乾燥に近い状態となるため、からだの中で風が生まれやすくなります (「血虚生燥化風」)。痒みは非常に強く、皮膚が乾燥して、掻くとパラパラとはがれ落ちるようになります。
この場合には、補う「当帰飲子」乾燥が進むと、血液の潤いと栄養をを使います。血液の乾燥 (血燥)にとどまらず、からだの水分も不足した状態となって、風が強くなります(「陰虚燥熱化風」)。 このタイプの蕁麻疹には、精 (陰)を補う「六味丸」が合います。 また、陰虚燥熱化風のために血行が渋滞すると、さらに新しい風が生まれます(「血熱生風」 )。こうして体内で生まれた風が皮膚の血液の流れを乱すと、皮膚の充血やうっ血、イライラ、午後の発熱、舌が濃い紅色になるといった症状をともない、紅い蕁麻疹が視れます(「血熟妄行」)。血熱による蕁麻疹の特徴は、露出部に多く発生し、掻いたあとが腫れて盛り上がるという点で、日光皮膚炎でよく見られます。 血熱によって起こる蕁麻疹で、熱性の症状が強いときは、「温清飲」 や「黄連解毒湯」 が合います。ただし、長期の使用は避けましょう。
飲食が原因となる「湿熱傷陰生風」タイプの蕁麻疹では、激しい痒みをともない、黄色い体液がにじみ、充血が強くをります。この場合は 「竜胆潟肝湯」を使うといいでしょう。 精神情緒が不安定になってイライラしたり、おこりつぼい、顔が紅潮する口が乾くといった「生熱化風」 の症状をともなう場合は、「加味逍遥散」を使います。 舌が紅く、苔が少ない、イライラ、寝汗といった症状をともなう「陰虚火旺」 の蕁麻疹には、六味丸や「知柏地黄丸」がよく合います。 舌が紫色になり、どす黒い瘀斑や、掻いたあとが出血する「血瘀」 の症状をともなうときは「桂枝茂苓丸」を合わせて使います。血痕をともなうタイプは、慢性の治りにくい蕁麻疹でよく見られます。
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体質虚弱のために蕁麻疹が慢性化する |
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衛気と営気の力が弱く、邪気を追い払う力がたりないと、蕁麻疹が慢性化しやすくなります。 疲労によって悪化しやすく、倦怠感や食欲不振、疲れやすいといった症状をともないます。かゆみはあまり強くなく、発疹もそれほどひどくはなりませんが、出没をくり返して、数年も続くことも少なくありません。 この場合には 「人参湯」 や「六君子湯」 のほか、「人参養栄湯」 や「黄耆建中湯」、「十全大補湯」「防已黄耆湯」「補中益気湯」 「八味丸」 などを使って体力を補い、正気を充実させて治療します。 |
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